ジャズ初めの一歩
「ジャズを聴いてみたいけれど、何から始めればいいか分からない」といった人たちに、ジャズの特徴や代表的アーティスト、名曲・名盤などの情報を提供するブログです。ご一緒にジャズを楽しみませんか?
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ジャズ・アーティスト(1) −RGB(レッド・ガーランド、グラント・グリーン、ブルー・ミッチェル)−
今回は、ジャズのアーティストをテーマにお届けしたいと思います。

とはいっても、一人ひとりをじっくりと取り上げるのはもう少し先のことにして、今日は「色」を名前にもつアーティストを3人ご紹介します。

3原色"RGB"です。

レッド・ガーランド(Red Garland, p)

レッドというのはあだ名で、一時髪の毛を赤茶色に染めたことがあり、その際につけられた「レッドヘア」を経て「レッド」と呼ばれるようになったそうです。

ちなみに、本名は"William M. Garland"といいます。

レッド・ガーランドの演奏は、ビートを刻む左手のブロックコードに乗せて右手でシングル・ノートのメロディを奏でるシンプルなスタイルで、ミュージシャンとしてのキャリアを通じて彼はこのスタイルを変えることはありませんでした。

非常に耳障りがよく聴きやすい演奏のため、ジャズの「精神化」が叫ばれるようになってからは、「カクテル・ピアニスト」、すなわちホテルのラウンジなどでカクテルを飲みながら聴くような演奏しかできないプレイヤーと評されたこともあります。

ですが、M.デイビスをはじめとする数々のセッションや、ガーランド自身がリーダーとなって残したトリオの演奏などを聴けば、ガーランドは決してそのようなレベルのアーティストでないことがわかるはずです。

あのM.デイビスが単なるカクテル・ピアニストを自分のセッションに入れるわけがないですしね。

それから、マイルスに若きJ.コルトレーンを紹介したのもR.ガーランドでした。

ガーランドがいなかったら「黄金のクインテット」の名演を聴くことはできなかったわけです。

グラント・グリーン(Grant Green, g)

ジャズシーンにおいて、ギターという楽器は決してメジャーな存在とはいえないでしょう。

しかし、ジャズという音楽の幅を広げ・深めるのに重要な役割を演じたギタリストが何人かいます。

そのようなアーティストとしては、W.モンゴメリー、K.バレル、B.ケッセル、J.ホール…などの名前を挙げることができますが、グラント・グリーンも忘れることはできません。

グリーンのギター・テクニックは優れたものとはいいがたく、また力強さや洗練性にも欠けているかもしれません。

でも、シングル・ノートを基調とした素朴な演奏でありながら、そこから織りなされる多彩な音楽表現は、誰にもまねのできないG.グリーンの魅力です。

ブルー・ミッチェル(Blue Mitchell, tp)

ガーランドの「レッド」と同様、ミッチェルの「ブルー」もニックネームで、"Richard Allen Mitchell"というのが本名です。

1930年生まれのミッチェルは、'51年にプロのミュージシャンとしての道を歩み始めましたが、下積みの時代がしばらく続き、陽の目をみるようになったのは'58年にピアニストのH.シルバーのセッションに参加してからのこと。

トランペッターという、いわば「花形」でありながら、控えめな性格だったミッチェルは、その活動の中心をほかのアーティストのセッションへ参加することにおいていたため、リーダーアルバムは比較的少ないのが特徴です。

また、'72年頃からはロック・ミュージシャンとの交流を深め、いわゆる「ロック・ジャズ」のジャンルで活躍しました。

しかし、大きな果実を実らすには到っておらず、聴き所はやはり'60年代の作品に求められます。

最後に、レッド・ガーランド、グラント・グリーン、ブルー・ミッチェルのアルバムを一枚ずつご紹介しておきましょう。

それぞれの名前のカラーで彩られたデザインの作品を選んでみました。

レッド・ガーランド『レッド・ガーランズ・ピアノ』レッド・ガーランド 『レッド・ガーランズ・ピアノ(Red Garland's Piano)』

グラント・グリーン『ザ・コンプリート・カルテッツ』グラント・グリーン
『ザ・コンプリート・カルテッツ(The Complete Quartets With Sonny Clark)』



ブルー・ミッチェル『ザ・シング・トゥ・ドゥ』ブルー・ミッチェル 『ザ・シング・トゥ・ドゥ(The Thing to Do)』
ジャズ・ビッグテナーの競演
こんばんは。

10月も終わりになり、肌寒ささえ感じるようになりました。

今年は久しぶりに各季節がそれらしい気温・気候で推移したようですね。
これから冬を迎えますが、私はスキーヤーなので、そこそこ雪も降ってもらいたいものです。

さて、今月の初めに「ジャズ・テナーサックス・プレイヤー(2) −重厚なるサウンド−」としてハンク・モブレー、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーンをご紹介しましたが、コルトレーンとモブレー、そしてロリンズとコルトレーンの競演が残されています。

一枚のアルバムに複数のテナー奏者が名を連ねていることはジャズでは多々ありますが、曲に応じてプレイヤーが交代する形での参加というのが普通です。

しかし、上に挙げた組み合わせは、それぞれ一つの曲に両プレイヤーが演奏する文字通りの競演であり、しかもどちらのテナー・プレイヤーもジャズ界の大物という極めて稀なケースです。

先ず、コルトレーンとモブレーの競演は、ジャズの帝王M.デイビスのアルバム『いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)』の中のタイトル曲で実現しています。

このセッションにおいてはマイルス−モブレー−コルトレーンの順でソロをとっており、モブレーはマイルスの後を受けてそつのない仕事をしているのですが、続くコルトレーンの演奏があまりに凄いため、モブレーが圧倒されてしまった印象を受けます。

先にご紹介した「愛すべきB級テナー」という呼び名がモブレーに冠されたのはこのときからなのです。

一応、試聴用サンプルへのリンクを掲載しておきますが、残念ながら二人のテナー部分は含まれておりません。マイルスのミューティッド・トランペットの冴えをお楽しみください。

「いつか王子様が」

もう一組、ロリンズとコルトレーンが競演したのは、ロリンズのリーダー作『テナー・マッドネス(Tenor Madness)』のこちらもタイトル曲においてです。

モブレーが少し不本意な結果に終わってしまったのとは対照的に、ロリンズはその持ち味を十分に発揮しているといえます。

コルトレーンの「音の洪水(sheets of sound)」を浴びてもまったく動じることなく、それを柳に風と受け流すかのようにロリンズの特徴である飄々とした演奏を披露しています。

まさにロリンズの器の大きさを感じさせる一曲といってよいでしょう。

では、ロリンズのテナーを「テナー・マッドネス」でお聴きください。

なお、サンプルには含まれていませんが、この曲では「いつか王子様が」にはなかった二人のテナーの掛け合いも聴くことができます。

では。

※今回ご紹介した曲はそれぞれ次のCDに収録されています。
(CD名をクリックするとAmazon.co.jpさんのCD情報ページが開きます)

マイルス・デイビス『いつか王子様が』CDの画像マイルス・デイビス 『いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)』

ソニー・ロリンズ『テナー・マッドネス(Tenor Madness)』CDの画像ソニー・ロリンズ 『テナー・マッドネス(Tenor Madness)』
ジャズ・ヴァイブスプレイヤー/ヴァイオリニスト/オルガニスト
こんばんは。
風邪が流行っているようですが、皆さんだいじょうぶですか?

さて、前回お知らせしたとおり、ジャズの代表的アーティストを楽器ごとにご紹介するシリーズは今日が最終回となります。

これまでにサックス・ピアノ・ドラムスなど、ジャズの主だった楽器は取り上げてきた一方、ギター・トロンボーンのように多少耳にする機会は少ないものの比較的お馴染みの楽器の奏者についてはまだご紹介しておりません。

順序からいえば、残り一回をそれらのアーティストのために割くのが適当かとも思うのですが、ここでは敢えてもっとマイナーな楽器のプレイヤーをご紹介したいと思います。

もったいぶらずに楽器名を申しましょう。ヴィブラフォン・ヴァイオリンそしてオルガンです。

ヴィブラフォン、またはバイブス(vibraphone, vibes)というのは鉄琴の一種で、ピアノの鍵盤と同じ順序で並べられた音板をマレットというばちで叩いて音を出す楽器ですが、音板の下に共鳴管をもっており、音の震えやミュートをコントロールできる点が鉄琴とは異なります。

ジャズ・シーンにこのヴィブラフォンの可能性を認知させるという大きな功績を果たしたのがバグスことミルト・ジャクソン(Milt Jackson)です。

それまで打楽器としてリズムの生成を主な役割としていたバイブスにメロディー・ラインを担わせることに成功したバグスは、MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)の中心メンバーとして新たな魅力をもった名曲・名演奏を数多くジャズにもたらし、ジャズをより多彩な世界としたのです。

MJQの演奏は以前にもご紹介しましたので、今日はテナーサックスの巨人ジョン・コルトレーンとの競演による「レイト・レイト・ブルース(Late Late Blues)」をお届けしましょう。

なお、バグス(bags)というあだ名は、彼の目の下が袋状に垂れ下がっていることに由来し(ていたと思い)ます。

残りの二つの楽器については、「どこがマイナーなの?」といわれるかもしれませんが、ジャズの世界ではこれらを演奏するアーティストは少数派です。

実際、ジャズとヴァイオリンという取り合わせにいささか奇異な感じを持たれる方も多いのではないでしょうか?

しかし、世界を股にかけて活躍したジャズ・ヴァイオリニストがいます。ステファン・グラッペリ(Stephane Grappelli)がその人です。

グラッペリが1939年に結成したギター3台、ヴァイオリン、ベースという弦楽器のみからなる画期的構成のジャズ・バンド「クインテット・オブ・ザ・ホット・クラブ・オブ・フランス」はヨーロッパで絶大な人気を博し、ジャズの本場アメリカでも一躍その名を知られる存在となりました。

ここでは同じフランス人ピアニスト ミシェル・ペトルチアーニとの競演でジャズの名曲「ディーズ・フーリッシュ・シングズ(These Foolish Things)」をお聴きください。両アーティストの魅力がみごとに結晶された名演です。

いよいよ最後の楽器、オルガンです。
オルガニストもジャズ・シーンでは決してメジャーな存在ではありませんが、その一人ジミー・スミス(Jimmy Smith)の50年代の活動は、続く60年代のすべてのアメリカン・ミュージックに影響を与えたといわれるほど重要なものでした。

アメリカ音楽の一部、ジャズの中のマイナーな楽器が、それを包む大きな世界にインパクトを与えるとは不思議なものですね。

リー・モーガン、アート・ブレイキーなどそうそうたるメンバーとのセッションによるスミスの演奏で本シリーズを締めくくることにいたします。
曲は「オ・プリバーブ(Au Privave)」


※今回ご紹介した曲はそれぞれ次のCDに収録されています。
(CD名をクリックするとAmazon.co.jpさんのCD情報ページへジャンプします)

ミルト・ジャクソン&ジョン・コルトレーン『バグス・アンド・トレーン』CDの画像ミルト・ジャクソン&ジョン・コルトレーン 『バグス・アンド・トレーン(Bags and Trane)』

ステファン・グラッペリ『フラミンゴ』CDの画像ステファン・グラッペリ 『フラミンゴ(Flamingo)』

ジミー・スミス『ハウス・パーティー』CDの画像ジミー・スミス 『ハウス・パーティー(House Party)』