ジャズ初めの一歩
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企画・シリーズもの(1) −All ○○ Long−
前回は「魅惑のジャケット −風景−」として3枚のアルバムをご紹介しましたが、このテーマを取り上げようと思い立つきっかけとなった作品があります。

それは、レッド・ガーランド(Red Garland, p)の『オール・モーニン・ロング(All Mornin' Long)」。

ではなぜ、これを前回紹介しなかったのか?

実は、このアルバムはプレスティッジ・レーベルのいわゆる「企画もの」で、同レーベルが擁する人気アーティストを集めて制作された3枚のうちの1枚なのですが、すべてジャケットは風景をモチーフとしており、かつ非常に秀逸なデザインとなっています。

つまり、どれも捨てがたく、そうかといって3枚すべてを挙げるのでは範囲が狭くなりすぎる…といったジレンマが生じ、「それなら」ということで、このシリーズは「魅惑のジャケット」からははずし、別テーマを設けてまとめてご紹介することにしたのです。

名付けて、「企画・シリーズもの」。

その第1回目として、本日は上のプレスティッジの作品をご紹介したいと思います。

ジャズ3大レーベルの一つであるプレスティッジは、「オールスターもの」やS.ロリンズとJ.コルトレーンを競演させた『テナー・マッドネス(Tenor Madness)』といった「バトルもの」を数多く出していますが、『オール・モーニン・ロング』は『オール・デイ・ロング(All Day Long)』、『オール・ナイト・ロング(All Night Long)』とともにオールスター・シリーズの一つを構成しています。

録音は"ナイト"が'56年、他の2枚が翌'57年です。

共通した特徴として、参加アーティストの手になる作品、および非常に演奏時間の長い曲が収められていることが挙げられます。

これはすなわち、オールスターズ各メンバーの「聴かせどころ」が十分に用意されているということであり、プロデューサーのボブ・ワインストックの粋な計らいといったところでしょう。

では、それぞれのアルバムについて見てみましょう。

『オール・モーニン・ロング』は、「レッド・ガーランド・クインテト」とクレジットされることが多い作品で、内容的にもガーランドが中心的役割を担っています。

パーソネルはガーランドの他、J.コルトレーン(ts)、D.バード(tp)、G.ジョイナー(b)、A.テイラー(ds)。

ベースがトリオでおなじみのP.チェンバースでないのは、当時ガーランドはこのメンバーでクラブ演奏を行っていたためだそうです。

気心の知れたメンバーによるセッションだけあって全体的にリラックスした雰囲気に満ちている一方、それぞれのパートにおける自己主張がせめぎ合う緊張感、これらがうまくバランスされた作品ということができます。

R.ガーランド『オール・モーニン・ロング』R.ガーランド 『オール・モーニン・ロング(All Mornin' Long)』

続いて『オール・デイ・ロング』。

こちらはケニー・バレル(g)を中心としたセッションで、盟友T.フラナガン(p)に加え、D.バード(tp)、F.フォスター(ts)、D.ワトキンス(b)、A.テイラー(ds)によるプレイが収録されています。

このアルバムのキーワードは「デトロイト」。

フォスターとテイラーを除く4人はいずれもデトロイト出身であり、この土地の風土音ともいえる渋みのある演奏の魅力はここでも遺憾なく発揮されています。

K.バレル『オール・デイ・ロング』K.バレル 『オール・デイ・ロング(All Day Long)』

残りの1枚、『オール・ナイト・ロング』もバレル、もしくはバード&バレルの作品として紹介されることが多いアルバムです。

メンバーはバレル・バードの他にH.モブレー(ts)、J.リチャードソン(fl)、M.ウォルドロン(p)、D.ワトキンス(b)、A.テイラー(ds)というこちらもクインテット編成。

トランペット・テナーサックス・フルートという、それぞれ異なる個性をもった楽器の魅力を違和感なく聴くことができるのは、ワトキンスのベース・テイラーのドラムスというしっかりした土台、およびクールなトーンでホーンセクションをサポートするウォルドロンのピアノあってのものといえるのではないでしょうか。

D.バード&K.バレル『オール・ナイト・ロング』D.バード&K.バレル『オール・ナイト・ロング』
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