ジャズ初めの一歩
「ジャズを聴いてみたいけれど、何から始めればいいか分からない」といった人たちに、ジャズの特徴や代表的アーティスト、名曲・名盤などの情報を提供するブログです。ご一緒にジャズを楽しみませんか?
ジャズ初めの一歩Top | RSS | Admin
ジャズの名曲(8) −Jazz in Spring−
私の住む街では桜も散り、すっかり春めいた気候になりました。

北国ではまだ冬の名残が強いかもしれませんが、今日は少し早めに「春のジャズ(Jazz in Spring)」をテーマとしてお届けしたいと思います。

まずは一曲。

アストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)がスタン・ゲッツ(Stan Getz)をバックに歌う「春の如く(It Might as Well Be Spring)」です。

この曲は、1945年にリチャード・ロジャース(作曲)とオスカー・ハマーシュタイン(作詞)がミュージカル『ステート・フェア』の挿入歌として作った作品で、アカデミー主題歌賞を獲得しています。

私は風にそよぐ柳のように、
操り人形のように揺れながら、
春の暖かさを感じている。
まだ春ではないけれど・・・

という詞から分かるように、春の到来を待ちわびる気持ち(=恋心)を歌ったものですが、上のボサノバテイストの演奏からは、現実の春を思わせる明るさが感じられますね。

なお、この曲の定番としてはアイク・ケベック(Ike Quebec, ts)のアルバム『春の如く』が有名ですので、こちらもぜひ聴いてみてください。

続いての曲は、「春の如く」の作曲者リチャード・ロジャースが相棒ローレンツ・ハートと組んで世に送り出した数々の名曲の中の一つ、「スプリング・イズ・ヒア(Spring is Here)」。

春ではないのに暖かな気持ちを歌う「春の如く」に対し、この「スプリング・イズ・ヒア」の方は「春は来たけれど・・・」という沈んだ気分を主題にしています。

明るく賑やかな春なのに
私の心は沈んだまま
・・・
それは私を愛してくれる人がいないから

ビル・エヴァンス・トリオの「スプリング・イズ・ヒア」は、この詞の内容がもっとも痛切に表現されている名演といえるでしょう。

さて、「春のジャズ」最後の曲としては、バーノン・デュークが1932年に作曲した「パリの四月(April In Paris)」をご紹介しないわけにはいきません。

E.Y.ハーバーグの詞をともなって、同年に公開されたレビュー『Walk A Little Faster』のために作られましたが、このときにはヒットせず、後にマリアン・チェイスという歌手が録音したレコードにより有名になった曲です。

パリの四月、花咲いくクルミの木
祝日の樹の下のテーブル
パリの四月のこの気分は
ほかでは決して味わえない気分

この曲はカウント・ベイシー・オーケストラが十八番としていたもので、多くのアルバムに収録されています。

では、ビッグバンドの華やかな演奏が春の気分にぴったりな「パリの四月」をどうぞ。

そうそう、以前「ジャズの名曲(2) −Jazz in Autumn−」でご紹介した「ニューヨークの秋(Autumn in New York)」もV.デュークが作曲したものです。

「パリの四月」と「ニューヨークの秋」・・・

対となることを意識して作曲したに違いありませんね。

※上の各曲はそれぞれ次のCDに収録されています。

スタン・ゲッツ&アストラッド・ジルベルト『ゲッツ・オ・ゴー・ゴー』S.ゲッツ&A.ジルベルト 『ゲッツ・オ・ゴー・ゴー(Getz Au Go Go)』

ビル・エヴァンス・トリオ『ポートレイト・イン・ジャズ』ビル・エヴァンス・トリオ 『ポートレイト・イン・ジャズ(Portrait in Jazz)』

カウント・ベイシー『パリの四月』カウント・ベイシー 『パリの四月(April in Paris)』
ジャズの名曲(7) −Jazz in Winter−
こんにちは、銀猫です。

この週末、仕事&観光で京都へ出かけていたため、記事のアップが遅れてしまいました。申し訳ありません。

では、早速参りましょう。

本日のテーマは「Jazz in Winter(冬のジャズ)」です。
----------------------------------------------------------------------

春はあけぼの(夜明け)、夏は夜、秋は夕暮れ、冬はつとめて(早朝)。

ご存知、枕草子に清少納言が書いた、季節ごとの趣のある時間帯です。

思うに、ジャズを聴くのにいい時間帯も、季節によって違うように思います。

もちろん、これは人によって異なるでしょうが、私の場合、「春は午前、夏は夕暮れ、秋は夜、冬は午後」といった感じです。

さすがに早朝というのは含まれていませんね(^^)。

さらに、例えば今の季節、「冬」についていえば、私のジャズ・タイムは天候によってもう少し細かく分かれるようです。

まず、晴れて明るい日差しが部屋に差し込むような日は午後の早い時間、昼下がり。

逆に、曇りや雪の日には夕暮れに近い頃合いに一番ジャズを聴きたくなります。

今回は「冬のジャズ」として、上のようなシチュエーションにもっともふさわしいと私が常日頃思っている曲をご紹介しましょう。

一曲目は「スプリング・ウィル・ビー・ア・リトル・レイト・ディス・イヤー(Spring Will Be a Little Late This Year)」という長いタイトルの曲。

「今年は春が来るのが少し遅くなりそうだ」というのですから、年が明けたちょうど今の時期のことをうたった作品です。

ストリングスをバックにしたサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)のヴォーカルでおとどけしましょう。

スプリング・ウィル・ビー・ア・リトル・レイト・ディス・イヤー

続いてご紹介するのは「コートにすみれを(Violets for Your Furs)」。

「雪まだ残るニューヨーク、君のコートに一輪のスミレをさすとそこだけ春になった」という詩情溢れるこの曲を、コルトレーン(Jhon Coltrane)のテナーでお聴きください。

泣けます。

コートにすみれを

さて、本日最後の曲は、やはりニューヨークを舞台とした「スケーティング・イン・セントラルパーク(Skating in Central Park)」です。

毎年、ロックフェラー・センターのクリスマス・ツリーへの点灯とスケート・リンクのオープンが季節の話題として取り上げられますが、そのニュースに接するといつも聴きたくなる一曲です。

では、モダン・ジャズ・カルテット(Modern Jazz Quartet:MJQ)の演奏でどうぞ、「スケーティング・イン・セントラルパーク」。

なお、過去の記事「ソロ/デュオ −シンプル&ピュア−」ではビル・エヴァンスとジム・ホールのデュオによるプレイをご紹介していますので、ぜひ聞き比べてみてください。


今年は久しぶりに冬らしい冬となっています。

休日の午後、無理に外出などせず、ゆったりした気持ちでジャズに浸るのもいいのではないでしょうか?

では。

※今回ご紹介した曲はそれぞれ次のCDに収録されています。

サラ・ヴォーン『ラブ・ソングズ』CDの画像サラ・ヴォーン 『ラブ・ソングズ(Love Songs)』

ジョン・コルトレーン『コルトレーン』CDの画像ジョン・コルトレーン 『コルトレーン(Coltrane)』

モダン・ジャズ・カルテット『ラスト・コンサート』CDの画像モダン・ジャズ・カルテット 『ラスト・コンサート(The Complete Last Concert)』

【お知らせ】
都合により、来週末は一回お休みさせていただきます。
そのあとは、「ジャズの歴史」と銘打ってジャズの誕生と発展の軌跡をみなさんと一緒にたどりたいと思いますので、どうぞお楽しみに。
ジャズの名曲(6) −長〜いタイトル−
クリスマス・イヴ、みなさんいかがお過ごしですか?

私は・・・おとなしくこれを書いています。(^_^)

さて、クリスマスにおすすめのジャズ・アルバムは前回ご紹介済みですので、今日は従来のジャズ解説に戻ることにしましょう。

今回は曲のタイトルにまつわるテーマの2回目として、長〜いタイトルをもつ曲を取り上げたいと思います。

日本語では、主語の省略ということがよく行われます。

このこと関係しているのでしょう、日本語の曲タイトルはおもに「句」ですが、これに対して、英語の曲では主語と動詞を含む節・文の形のタイトルが少なくないため、しばしば非常に長いタイトルをもつ曲に出会います。

その中でもっとも有名なものは、以前にもご紹介したことのある「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ(You'd Be So Nice To Come Home To)」でしょう。

ヒット曲メーカーのコール・ポーターが1943年に世に送り出したこの曲は、哀愁を帯びながらも親しみやすいメロディーで高い人気を博しているので、みなさんもどこかでお聴きになったことがあると思います。

今回は少し趣向の変わった、ソニー・スティットのアルトサックスがリードするハードバップ・プレイでどうぞ。

You'd Be So Nice To Come Home To

2曲目は、「プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ(Please Send Me Someone To Love)」。

1950年代のR&B(リズム・アンド・ブルース)のシンガー・ソングライター、パーシー・メイフィールドの手になるだけあって、ブルースのうねるようなリズムが独特の気だるい味わいを醸している名曲です。

レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)という代表的ピアノ・トリオが残した数多い名盤の中の一枚、「レッド・ガーランズ・ピアノ」からお聴きください。

Please Send Me Someone To Love

もう一曲、長いタイトルとしては、「アイ・ゲス・アイル・ハフ・トゥ・チェンジ・マイ・プラン(I Guess I'll Have to Change My Plan)」を忘れる訳にはいきません。

前の2曲ほど知られている曲ではありませんが、誕生は最も古く、ハワード・ディーツとアーサー・シュバルツにより1929年に作曲されました。

レスター・ヤングのテナーサックスでその古い時代の雰囲気を味ってください。

I Guess I'll Have to Change My Plan

いずれの曲も、上手い邦訳はなかなか無いようで、どれも原題のままですね。

さて、今年もあと一週間。次回お会いするのは大晦日か来年の元旦となります。

では。

※今回ご紹介した曲は次のCDに収録されています。

ソニー・スティット『パーソナル・アピアランス』CDの画像ソニー・スティット 『パーソナル・アピアランス(Personal Appearance)』

レッド・ガーランド『レッド・ガーランズ・ピアノ』CDの画像レッド・ガーランド 『レッド・ガーランズ・ピアノ(Red Garland's Piano)』

レスター・ヤング『ザ・ジャズ・ジャイアンツ'56』CDの画像レスター・ヤング 『ザ・ジャズ・ジャイアンツ'56(The Jazz Giants '56)』